1809年9月23日、イギリスのフレデリック・バーソロミュー・フォルシュが、ペンの軸にインクを貯蔵するペンを発明し、特許を取得したものがはじめです。イギリスのジョセフ・ブラーマーも7つの特許を取得しました。ブラーマーの特許の中には鉄ペンの着想もあり、「fountain pen」(英語で泉のペンの意)の名称を初めて用いています。また、パーカーが1832年に、「てこ」を利用した、自動インク吸い取り機構を開発しました。
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fountain pen の誕生
その後の1883年に、アメリカの保険外交員ルイス・エドソン・ウォーターマンが、調書にインクの染みを作ってしまい契約を取り逃がしたことを切っ掛けとして、毛細管現象を応用したペン芯を発明したことが万年筆の基礎となりました。万年筆の元祖ともいえるこの発明によって彼はその後、現在フランスにある万年筆会社ウォーターマンを創業しました。
日本では江戸時代以前「御懐中筆」の名で万年筆の前身らしきものが既に発明されていました。万年筆が日本に入ってきたのは、1884年、横浜のバンダイン商会が輸入し東京日本橋の丸善などで販売されました。当時は後半部分がほぼ英語の直訳である「針先泉筆」と呼ばれており、「萬年筆」と命名したのは、1884年に日本初の国産万年筆を模作した大野徳三郎とも言われていますが、諸説有り、詳しくは分かっていません。
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「Pilot」 万年筆
1920年代 並木製作所(現パイロット)が松坂屋の為に製造した「Pilot」 万年筆です。ボディには、 “PILOT”MATSUZAKAYA Fountain pen と刻印があり、松坂屋のマークが入っています。そして、キャップに付いているのは、後付けのクリップです。戦前には日本の万年筆製造は盛んで、1940年には世界生産量の半数を日本で生産しているほどでした。
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後付けのクリップ